『13の理由 シーズン3』めちゃくちゃがっかり続編のシーズン3!【Netflixオリジナル】

Netflix
!ネタバレ有りの感想です!

30点

めちゃくちゃがっかり続編のシーズン3!

そもそもシーズン2の制作が決まった時に、余計なことをしやがって…と思ったものですが。
最初のシーズンが面白ければ面白いほど、続編は前作を超えられず、がっかりさせられた…なんて経験は、映画好き・ドラマ好きなら共感していただけるけるだろう。

シーズン2はそんな続編は面白くなくなってしまう説を裏切り、とてもいい続編だった。シーズン1の世界を補足し、深め、広げるようないい続シリーズだった。
そのせいで、シーズン3が新着に上がっているのを見たとき、続編は面白くない説をすっかり忘れ、わくわくしながら見始めた。

シーズン3は面白くない。面白くないどころか、前2シーズンに泥を塗るような出来だ。

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『13の理由 シーズン3』(2019)


出演:ディラン・ミネット、キャサリン・ラングフォード、アリーシャ・ボー
原作・制作:ブライアン・ヨーキー
Netflix作品ページ

あらすじ

なぜ彼女は自ら命を絶ったのか? その謎が明らかになるにつれ、高校の同級生クレイ・ジェンセンをはじめ、彼女にかかわった人たちの苦悩が浮き彫りになっていく。
Netflixより

そもそも構成がダメ

新参者の少女、アニがリバティ高校に転校してくる。このアニ、要はハンナベイカーの事件とは無関係の第三者が、ハンナベイカーに関わった人間のその後と、新たな謎(誰がブライスを殺したか?)を語るという構成なのだか…。

アニにはうそつき、というキャラクターが付与されていて、現在(暗い色調でアニが語る様子の映像)では嘘が語られる。その後流れる過去(明るい色調の映像)はアニが語った内容とは真逆の出来事が描かれている。

アニの語り(現在)と回想の映像(過去)という二本の時間軸がバチバチに入れ替わりながら話が進んでいく。
まずこれがわかりにくいし、必要性がわからなかった。
アニが執拗に嘘を語り続ける理由が見当たらない。

アニが軽率に嘘をつくキャラクターなのはわかる。厳しい親の元で、いい子に見せるために、あらゆる場を上手く回るため…いわば事なかれ主義でその場しのぎの簡単な嘘をつくキャラクターなのだ。それはいい、わかった。

現在でアニが語っている相手は警察官(アレックスの父親)だ。
ブライス殺害事件の顛末を、アニの嘘だらけのストーリーで納得させようというのである。
それもまあわかるが、あそこまで最初から最後まで嘘(というより殆どの事象について真逆のこと)で語る必要があったんだろうか?

シーズン3のメインは『誰がブライスを殺したか」だ。そしてその犯人捜しにハンナベイカーに人間たち、全員がそれぞれ全員を怪しいと疑心暗鬼になっていく。

現在・過去の時間軸で描くことも、アニが嘘をつきまくるのも、そんなサスペンス的展開のための演出技法でしかない、と、裏方の制作側の作為が見えすぎて面白くないのだ。

13の理由はただのエンタメ作品じゃなかったはずだろう

13の理由はただのエンタメドラマではない、と思っていた。

毎話のラストに差し込まれる、スキップできない『困っている方はこちらに相談しよう』のアナウンス。特別編で出演者が語る現代高校生の問題。
知育玩具のような役割を持っていると思っていたし、そういう意識で制作していると思っていた。

エンタメ作品として娯楽として消費されながら、世界のどこかで苦しい思いをしているハンナベイカーに手を差し伸べ、その周りの人間の考えに一石を投じる。ただの娯楽品ではなく、世界を少しでも変えられたら、といういわば祈りの作品だ。そう思っていた。

シーズン1とシーズン2は確かにそうだったし、そこが好きだと思ったし、面白かった。話題になって全世界で見られたのもそこが大きいだろう。
しかし、シーズン3はそんな色が一切消失している。

ただのチープな犯人捜しのエンタメに成り下がり、それとしても面白くない。
かつ、登場人物たちが辿り着いた結末が最悪だ。
現実社会に訴える映画だったからこそ、あのラストには納得がいかない。
普段フィクション作品にリアリティやら、現実社会における正しさは求めていないが、この作品は正しくなければいけないんじゃないか。

ブライスを殺したのはアレックスだったことが明らかになり、モンゴメリーはタイラーをレイプしたことで逮捕される。そしてモンゴメリーあ刑務所内で殺されてしまう。

アレックスがブライスを殺したのは事故に近かったかもしれない。でも、彼の手で殺したのだ。人を殺してしまった人間が、裁きを受けず、罪を償わず、身内(警察官の父親)や仲間の嘘に守られて罪を隠し、なおかついけ好かないやつだったとはいえ、死んでしまった同級生に無実の罪をなすりつけ、みんながそれに納得して終わる。
くそじゃん!!!!

だから今が辛くても死んだりしちゃダメだよって訴えてんの?死んだら無実の罪をなすりつけられ、生きている人間だけが優先され、遺った人間たちの都合のいいように泥を塗られても文句が言えないから。だからどんなに辛くとも生きて立ち向かおう、みたいなメッセージ?
そうだとしても、モンゴメリーは自殺したわけではないし、彼がレイプしたからといって、死んでしまったからといって、汚名を着せていい理由にはならないでしょう。

シーズン3なんか作らなきゃよかったのに、と思ったらシーズン4の制作が決まっているようで。シーズン4で最後らしいけど。すごいものを作ったな、と敬愛の念を抱いた『13の理由』はシーズン2で死んだよ。

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