『ドント・ルック・アップ』(2021)ホリデーシーズンならではの高コスト、ブラック風刺コメディ

Netflix
!ネタバレ有りの感想です!

65点

Netflixのお正月映画!ホリデーシーズンの映画ならではの力の入れようが一目でわかる、コストのかかり具合!
俳優に明るく無い私でもわかるほどの豪華な顔ぶれ。映像にもふんだんにコストがかかっていることがわかる画の連続でクオリティが高い。

『ドント・ルック・アップ』(2021)


出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、メリル・ストリープ
監督:アダム・マッケイ
Netflix作品ページ

あらすじ

巨大彗星(すいせい)が地球に衝突する可能性を必死に訴える2人の天文学者。だが、情報が氾濫する世界では、誰ひとりとしてその警告に耳を貸そうとせず…。Netflix

巨大彗星は何のメタファーか

さて、肝心のストーリーは、
巨大彗星が地球に向かって来ていることを発見した天文学者二人と、それを本気にせずマトモな策も講じず、著名人や他人の意見に流され、結局は滅んでしまうおバカな人類…という風刺コメディ。

巨大彗星は環境破壊による気候変動のメタファーであり、専門家たちが再三警鐘を鳴らしているにも関わらず、〝世間の人々〟は無関心で本当に危機が迫るまで何もしないのだろう…というのがこの映画が言いたいこと。

邦画でも最近よく見られるが、この〝おバカな一般大衆〟を見る度に、ここまで世間は酷くないだろう…?と思っていた。
きちんと考えるべき問題が現れたときには、目の前の問題を自身の頭で考えることができるはずだ、と。

そして現在、『コロナ』という厄災が世界を襲っているわけだが、マスク派VSマスク否定派、ワクチン派VS反ワクチン派、果ては陰謀論者の盛り上がりを見ていると言う、あながち無知でバカな大衆というのも間違っていないのだと思う。
ほぼ全ての人間が、映画のように重要なことが何かを判別できず、ポップで飛びつきやすい大衆のいる所に突っ込んでいく、とは思っていないが、自分自身で考える事が出来ずに派閥に入って騒くことが本分になってしまっている声がでかいだけの阿呆は想定より多いのかもしれない。

映画としはどうなのか

〝風刺〟しかもこのご時世だとどうしても現実と絡めた部分ばかり目につき、語りたくなってしまうが、その辺りを抜きにして〝物語〟としてこの映画を見ると、とても面白く出来ていた。

彗星というメインの大問題からズレた所で奔走し、躍起になる民衆や政治家たちの滑稽さはコメディとして良かったし、人工知能が予測した、『大統領がよくわからない名前のものが死因になる』という伏線回収も効いている。

人工知能の未来予測がおそらく正解で且つ、『孤独に死ぬ』と予測されたミンディ博士(レオナルド・ディカプリオ)が、最期を仲間や家族と迎えられたのは、精度の高い人工知能の予測も行動を改めれば変えられる、という教訓めいたメッセージなのか、はたまた大統領の息子が生き延びたように致命的な損害は受けたものの、ミンディ博士は彗星の衝突では死亡せず荒廃した地球で生き残ったと言う事なのかは気になるところだ。

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