『BIRD BOX(バード・ボックス)』(2018)渾身のNetflixオリジナル終末ムービー【Netflixオリジナル】

Netflix
!ネタバレ有りの感想です!

80点

『BIRD BOX』でTVCMを打っているあたり、かなり力が入っているのが伺える。
そんな渾身のNetflixオリジナル終末ムービー。見終わった最初の感想はやればできるじゃん!Netflix!

Netflixオリジナルの終末ムービーと言えば、ダメダメ終末ムービーの【すべての終わり】というのもあったけれど、あれはほんとーにだめだったぁ…。
【すべての終わり】と比べると端々までしっかりと作りました!感がすごい。上出来!おもしろい!

『BIRD BOX(バード・ボックス)』(2018)


出演:サンドラ・ブロック、トレヴァンテ・ローズ、ジョン・マルコヴィッチ

Netflix作品ページ

あらすじ

謎の闇に突き動かされた者たちが相次々と命を絶ち、人口が激減して5年。ここまで生き延びてきた母親が2人の子供を連れて、安住の地を目指す危険な旅に出る。
Netflixより

終末だけじゃない、サンドラ・ブロックの母親としての物語

そもそも終末ムービーとか、パニックムービーとか、ホラーとか…その周りはあまり好きな映画ジャンルではないので、この映画も好きな映画ではないのですが。
全編通して与え続けられる恐怖と絶望感。これは好きな感覚ではないけれど、終末ムービーには必須な感覚でしょう。好きじゃないけど、おもしろい映画だったよ…。

民家に立てこもる、スーパーに食料調達にいくなどなど、わりとありがちな展開は多いものの、飽きずにハラハラしながら絶望感を味わいつつ見ることができた。
ただのありがちなパニックホラーにならなかったのは、主人公・サンドラ・ブロック演じるマロリーの、母親としての成長の物語、としての側面もあるからだろう。
二人の子供を守りながら困難を乗り越え、最後には母親として目覚めるマロリーの物語があるからただの終末ムービーにならず、おもしろく思えたんだろう。

結局世界を襲っていたものは何なのか。

映画内では明確にソレが何かは明かされない。姿も最後まで透明で、見えないままだし。倒すこともできず一時的な安住の地を見つけたまでで終わってしまう。

キリスト教的な終末の訪れ、神が世界を浄化している、的なことを言うキャラクターもいたが、SF寄りの私からすれば、やっぱり宇宙人の侵略説が一番しっくりくるかな。と。

キリスト教典には詳しくないのでアレですが、キリスト教的浄化だとすると、精神病棟にいた人間たちだけが世界を襲う謎の存在を見ても平気だった=神に許された。とするのに納得ができない。彼らはそこそこ重い精神病棟にいたようだし、重い精神病棟ということはおそらく、自殺未遂を犯した人間たちが収容される場所だったのではないかと思う。
とすれば、キリスト教的に罪とされる自殺(未遂)を犯した彼らだけが救済の対象にはならないだろう。

世界を襲ったアレは、侵略しにきた宇宙人で、眼球からその人の脳へと入り込み(何かを送り込み)、自殺衝動を発動させていた。精神病棟にいた彼らはすでに自殺衝動を持っていた(薬でそれを抑えていた)ためにソレを見ても平気だったのではないかと考えるほうが納得がいくのだ。

と、こうじゃないか、と考察がしっかり立てられるくらいきちんと作られているので【すべての終わり】とは比べ物にならないほどおもしろいよ…。よかったよ…。

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